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Textiles Encyclopediaテキスタイル事典

テキスタイル事典:まえがき

TexStylistを立ち上げるにあたり、私自身が最も力を入れているコンテンツが、この「テキスタイル事典」です。 というのも、これまでのキャリアの中で最も長く深く関わってきたのが「生地」だからです。

最初に生地について学んだのは、小売店でバイヤーになった頃のこと。親会社の素材担当の方から数日間、研修のようなかたちで教わりました。糸の撚り方や織りの基本――たとえば「S撚り・Z撚り」や、三原組織(平織・綾織・朱子織)など、今も記憶に残っています。

その後、生地問屋に転職し、さらに深くこの世界にのめり込んでいきました。2年目には仕入れを任され、「利は仕入れにあり」と言われるように、商材である生地を徹底的に覚えることの重要性を実感しました。実際に製造現場を訪ねたり、専業の方から学んだりと、現場から吸収した知識が今につながっています。

また、当時のアルバイトには服飾系の専門学生が多く、「生地について教えてください」とよく声をかけられました。その際には、「名前や特徴だけでなく、体系的に覚えることが理解への近道」と伝えてきました。これはどんな分野でも共通する、大切な学びの姿勢だと思っています。

少し話は変わりますが、かつて「布地図鑑」の監修をさせていただいた際、前書きに次のようなことを書きました。 「素材の特性を踏まえた糸づくり。糸の組合せの選定と、多様な織り・編みの方法。さらに加工を施すことで、風合いや機能を持った布地が完成する。」 つまり、生地を理解するには、「素材」「糸」「組織 」「加工」までを一連の流れとして捉えることが大切だと伝えたかったのです。

この「テキスタイル事典」も、まさにその思いから制作しました。素材・糸・生地・加工を軸に、生地を“体系的”に理解するための道しるべとなるよう構成しています。

そして、あえて「辞典」ではなく「事典」としたのは、単なる用語解説にとどまらず、背景や用途、関連知識までを幅広くまとめたかったからです。

この「テキスタイル事典」が、生地の奥深さに触れるきっかけとなり、皆さまの学びと探求の一助となれば幸いです。

テキスタイル事典:基準や単位

繊維や生地を扱う上で欠かせないのが、「基準」や「単位」の正しい理解です。テキスタイルは目に見える形や触感だけではなく、数値で表される構造的な情報に基づいて分類・評価されます。つまり、衣服や素材の性能・用途を見極めるためには、それらがどのような指標で測られているのかを知ることが必要です。

繊維の世界では、糸の太さや強度、生地の重さや密度、さらには加工の工程まで、実にさまざまな単位が存在しています。その背景には、素材の種類や製造工程の違いだけでなく、使用する国や地域ごとの歴史的背景・産業慣習の違いが大きく関わっています。たとえば日本では「匁(もんめ)」、アメリカでは「オンス(oz)」、ヨーロッパでは「グラム毎平方メートル(g/m²)」といったように、同じ「重さ」や「厚み」でも単位体系が異なり、それぞれ独自の基準で運用されています。

また、使用目的や最終製品によっても求められる指標は異なります。軽やかさや透け感が重視されるシルク製品では微細な単位での管理が必要となり、一方でワークウェアやデニムのような耐久性が求められる素材では、厚みや重さに関する単位が重要視されます。

このように「繊維」「糸」「生地」「加工」それぞれの段階で用いられる単位を体系的に理解することは、素材選定やデザイン、さらには製造や販売に至るまで、ファッションやテキスタイルに関わるすべての工程において大きな意味を持ちます。

基準・単位

カテゴリに分けて、基準や単位の概要とその役割を詳しく紹介していきます。

基準・単位





繊維 (Fibers)

繊維はテキスタイルの基礎であり、素材選びの第一歩です。

繊維

織物の伸縮性
繊維の長さや重量を測る単位(デニール、テックスなど)について解説。
例:ポリエステルのデニール値による耐久性の違い。
伸縮性の違い ■
織物の伸縮性
織物は基本的に伸縮性が少ないですが、織り方や素材によって若干の違いがあります。斜め方向(バイアス方向)に引っ張るとわずかに伸びますが、縦横方向にはほとんど伸びません。
編物の伸縮性
編物は、ループ構造そのものが伸縮性を生むため、縦横方向に柔軟性があります。このため、動きに合わせて伸び縮みしやすく、動きやすさや快適さを提供します。
天然繊維 (Natural Fibers): 綿 (Cotton)、麻 (Linen)、ウール (Wool)、絹 (Silk)
合成繊維 (Synthetic Fibers): ナイロン (Nylon)、ポリエステル (Polyester)
再生繊維 (Regenerated Fibers): レーヨン (Rayon)、テンセル (Tencel)

吸湿性、通気性、耐久性など、繊維の性能比較。

日本国内外で使用される繊維用語(Official Textile Terms)
公式名称や規格を紹介。
環境と持続可能性 (Sustainability in Textiles)
現代のテキスタイル業界では、環境保護と持続可能性が重要な課題として注目されています。
環境に配慮した繊維 (Eco-friendly Fibers)
オーガニックコットン、リサイクルポリエステルなど。
サステナブルな製造プロセス (Sustainable Processes)
オーガニックコットン、リサイクルポリエステルなど。
エシカルな生産基準 (Ethical Standards)
フェアトレードやGOTS認証について解説。

糸 (Yarns)

糸の種類や製法が生地の風合いや機能を決定します。

番手やカウントの違いを解説。

S撚りとZ撚り、撚りの強さが与える影響について。

紡績糸 (Spun Yarn)、フィラメント糸 (Filament Yarn) など。

織機・編機 (Weaving and Knitting Machines)

織物や編物を作るための機械の種類と特徴を解説します。

織機・編機

シャトル織機、エアジェット織機などの種類と用途。
例:エアジェット織機は速さが特徴で、大量生産に向いています。

丸編み機や平編み機など、編み方に応じた機械を解説します。

テキスタイルの構造と製法 (Textiles Structures and Production)

生地の作り方に焦点を当てます。

テキスタイルの構造と製法

平織り (Plain Weave)、綾織り (Twill Weave)、朱子織り (Satin Weave) の違い。

丸編み (Circular Knit)、経編み (Warp Knit) の特徴と用途。

ケミカルレースや機械レースの技術。

スパンボンドやメルトブローン技術を紹介。

デザインと柄(模様) (Designs and Patterns)

柄とデザイン技術を解説。

デザインと柄(模様)

ストライプ (Stripes)
チェック (Checks)
花柄 (Floral Patterns)
幾何学模様 (Geometric Patterns)

染色技術 (Dyeing Techniques): 反応染め、絞り染めなど。
プリント技術 (Printing Techniques): 直接プリント、抜染プリント、デジタルプリント。

ジャカード織りやドビー模様、転写プリントなど。

生地の種類 (Types of textiles)

最終的な素材としての生地を分類し、それぞれの特性を説明します。

生地の種類

デニム (Denim)、シャンブレー (Chambray)、サテン (Satin) など。

スウェット (Sweat Fabric)、ジャージー (Jersey)。

不織布、メッシュ、チュールなど。

加工技術 (Textiles Finishing)

生地に施す仕上げ加工や機能性を追加する方法を解説します。

加工技術

防縮加工、光沢加工など。

撥水加工 (Water Repellent)、UVカット加工 (UV Protection)、抗菌加工 (Antimicrobial)。

テキスタイル用語 (Terminology)

繊維・糸・生地関連のテキスタイル用語を五十音順に索引

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