碓氷製糸工場
〜今に残る製糸工場〜
◾️ はじめに|「今もなお稼働を続ける製糸工場」を書かなければならない理由
これまで「素材のちから」では、 富岡製糸場と絹産業遺産群、そしてそのプラスアルファとして、 合計11の施設を巡りながら、日本の絹産業がどのように形づくられてきたのかを見てきました。
そこにあったのは、 人が考え、自然と向き合い、試行錯誤を重ねながら、 “素材”という見えない存在に向き合ってきた時間でした。
ただ、ここまで書いてきて、 ずっと心の中に引っかかっていたことがあります。
それは―― 「では、絹は“いま”どうなっているのか?」 という問いです。
歴史は語られても、 現在進行形の現場は、案外知られていません。
実は、日本で稼働している製糸工場は、 いまやたった2ヶ所しか残っていません。
ひとつは、 群馬県安中市にある 碓氷製糸工場。 もうひとつは、 山形県酒田市にある 松岡株式会社。
今回は、そのうち 実際に私自身が足を運び、空気を吸い、音を聞いた 碓氷製糸工場を取り上げます。
この違いは、思っている以上に大きいのです。










